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肩関節のゼロポジションと肩甲平面

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 腕を挙げる時に最も負担の少ない角度を肩関節のゼロポジションといいます。
ゼロポジションとは、腕を外側から挙げたとき(肩関節外転)に肩甲骨の肩甲棘と上腕骨が一致し、上腕骨のねじれがないポジションのことをいいます。

 今回はこの「ゼロポジション」と「肩甲平面(スキャプラプレーン)」について説明していきます。

肩の関節

 始めに、肩関節の種類から説明していきます。
 肩関節は、肩甲骨・上腕骨・鎖骨・胸郭(背骨の胸椎・肋骨・胸骨)からなる5つの関節で構成されています。

  • 肩甲上腕関節
     肩甲骨と上腕骨(腕)が連結する関節
     
  • 肩峰下関節(第2肩関節)
     肩甲上腕関節の上方と肩甲骨の肩峰の間を指し、「第2肩関節」とも呼ばれる機能的に重要な関節。
     ここにある肩峰下滑液包は、肩関節の動きを滑らかにする働きがある。
     
  • 肩鎖関節
     鎖骨の外側(肩側)と肩甲骨の肩峰が連結する関節。
     
  • 胸鎖関節
     鎖骨の内側と胸骨が連結する関節。
     体幹と上肢(肩・腕・手)をつなぐ唯一の関節で、体幹と肩や腕を連動させる重要な働きを持つ。
     
  • 肩甲胸郭関節
      胸郭の背面(肋骨)と肩甲骨の前面が対面している関節。
      胸郭の表面を肩甲骨が動く。肩甲胸郭関節の動きは、肩甲骨の動きである。
      肩甲骨と胸郭は靭帯や関節包で連結していなく、筋肉や鎖骨を介して連結して
      いるため、肩甲骨と肩鎖関節、胸鎖関節は常に連動する。

 

肩甲平面(スキャプラプレーン)

 腕をあげるときに肩甲骨の角度に合わせて腕(上腕骨)をあげてくると肩関節(肩甲上腕関節)にかかる負担が少なくなります。

 肩甲骨は下の図のように背面からみると30~45°程の傾きがあり、肋骨(胸郭)についています。
 この肩甲骨の傾きに合わせて腕をあげていくと負担が少なくなります。
 これは肩甲骨が30~45°の傾きを持つならば、その面で腕を挙げれば肩甲上腕関節の捻れが生じない、という考え方です。
 つまり、肩を外側から挙げる動作では30~45°程前方に出した状態で挙げてくると負担が少なくなるということです。
 肩甲骨の角度のことを肩甲平面またはスキャプラプレーンと言います。
 (スキャルラ=肩甲骨、プレーン=面、という意味です)

肩関節のゼロポジション

 肩甲平面に合わせて腕を前方に30~45°、上方に135~155°あげると、肩関節のゼロポジションと呼ばれるポジションになり肩関節が安定し、肩へのストレスのない状態になります。

  • 上腕骨と肩甲棘の角度が一致したポジション
      
     肩甲骨の後面には肩甲棘と呼ばれる突出している部分があります。この肩甲棘と上腕骨は腕を挙げていく際に一致するポジションがあります。そのポジションをゼロポジションと言います。個人差はありますが腕を外側から135~155°挙げた角度になります。 

  • 上腕骨のねじれがなく、肩関節が安定する

     ゼロポジションになると、肩甲骨(肩甲骨関節窩)に腕(上腕骨頭関節面)がしっかりとはまり、肩甲上腕関節のねじれがなくなます。そして、肩関節のインナーマッスルにあたるローテーターカフ(回旋筋腱板)と呼ばれる4つの筋肉の力のバランスが均等になりります。

 肩の安定性を高めるローテーターカフは、肩甲骨の後面の上から棘上筋、棘下筋、小円筋と前面に肩甲下筋というの4つの筋肉です。
 このローテーターカフの4筋がゼロポジションになるとストレスがかからないため筋肉のバランスが保たれ肩関節が安定します。

 

まとめ

 今回は肩関節におけるゼロポジションと肩甲平面(スキャプラプレーン)について説明していきました。

 肩関節のゼロポジションでは、肩の安定性が保たれ負担のない状態になります。

 これは投球や物を投げる動作の際に有効に活用することができます。

 肩に負担のかからない動作を身に付けるためには、肩関節のゼロポジションに加えて他の部位(体幹や骨盤、股関節、首など)の動きも大切になります。

 姿勢がくずれていて、猫背や骨盤の歪みによって肩の動作にも影響します。
 姿勢をととのえて、肩への負担を減らし、肩関節の正しい動作を身に付け肩こりや五十肩・四十肩などの肩関節の症状の予防につなげていくことが大切です。

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